こんにちは、FESです。
第3回ウディコン出展用作品「灰色プリンセス」の進捗状況をお知らせいたします。
◆ 先週のトピックス
特になし
◆ 進捗状況
・グラフィック
立ち絵、アイテムイメージ等
・システム
戦闘&ダンジョンシステムの設計・実装
・シナリオ
イベントシーンの作成
◆ おまけ(コラム的な何か、ゲーム制作のヒントにでもなれば幸いです)
<RPGにおけるボス戦時の救済措置について>
作ったゲームは、できるだけ多くの人にプレイして楽しんでもらいたいものです。特に「ゲームをやりこむ人」「ゲームをやりこまない人」が同時に楽しめるゲームというものは、難易度設定等のバランスを良く考える必要があると思います。
今回は、ユーザーを「ゲームをやりこむ人」と「ゲームをやりこまない人」の2つに分けて、(前者はヘビーユーザー、後者はライトユーザーと呼ばれるかもしれません)「ボス戦時の救済措置」について少し考えてみようと思います。ちなみにここでいうボスというのは、ラスボスやシナリオの節目にでてくるような中ボスのことです。
ここでは、すごく強い敵を苦労して倒すことに快感を得る人を「ゲームをやりこむ人」、対してそれを苦痛と感じてゲームを止めてしまう人を「ゲームをやりこまない人」とします。(厳密には違うかもしれませんが、説明を簡単にするためこのように定義します)
まず、それぞれのユーザーの特徴を述べます。(*1)
・ ゲームをやりこむ人の特徴
- とにかく敵を倒してレベルを上げ、万全の装備でボスに立ち向かう
- ボスを分析し、最も効率よく倒す方法を考える(低レベルクリアを目指す等)
- ボスには何度でもトライし、勝つまで続ける
・ ゲームをやりこまない人の特徴
- 時間のかかるレベル上げを好まず(同じ作業を嫌う)、装備もそこそこでボスの元へ
- ボスを分析しない、とりあえず攻撃力の高い技(必殺技的な)を優先的に使う
- ボスには何度も挑戦しない(途中で諦めてゲームを止めてしまうこともある)
以上より、両者には必ず格差が発生するので、その格差を埋める必要があります。それが救済措置です。敵の強さはゲームをやりこむ人用に設定されているので(*2)、ゲームをやりこまない人がボスキャラを倒すレベルに到達していない場合は、救済措置を行い、強くしてあげる必要があります。以下に思いついた方法をあげてみます。
① レベルを指定したボス到達レベルに引き上げる(もしくはステータス)
② 強い装備を与える
③ ボスの弱点を教える
④ ボス弱体化するアイテムを与える
⑤ ばれないように戦闘を有利にしてあげる
①は簡単ですが、注意が必要な方法です。単純に引き上げを行うと頑張ってレベルを上げた人が損だと感じてしまうからです。例えば「ボス戦前に強制的にレベル50に引き上げ」なんて仕様だと、きっと下記のような不満がでてくるでしょう。
「せっかくレベル上げしたのに、結局レベル50になるのかよ。自分のやってたことって意味ないじゃん。時間返せ。」
②も①と同様で、頑張って装備を整えた人が損だと感じてしまいます。なので、こういった措置をとる場合は基本的に「一時的に」する必要があると思います。具体的には、レベルの場合、ボス戦の前だけ上げてボス戦が終わったら元に戻す。装備の場合は、ボス戦の前に強い装備を与えて終わったら消滅させる、という感じです。またゲームバランスをとるという観点からも、あまり強い装備をポンポン与えるのは良くありません。
③はステータスを上げるというよりは、プレイヤースキルを上げるという方法です。ゲームバランスへの影響も特になく、説明の必要はないと思います。
④はボス戦を有利に進めるアイテムを与えるということです。例えば、ボスのHPを半分にするとか攻撃力を下げるとか。ただしこれも装備と同様、ゲームバランスを考慮し、そのボスにしか使えないようにするかボス戦終了後に消滅させたほうがいいでしょう。
⑤は少しインチキをしてこっそりプレイヤーを有利にしてあげるという方法です。例えば、クリティカルを出やすくするとか、攻撃を避けやすくするとかです。ダメージが表示されるRPGの場合、攻撃力を上げるとバレてしまうので、確認しづらい確率的なことに関するパラメータを調整するのがポイントです。この方法だとゲームをやりこんでいる人の不満はでにくいでしょう。有利になったプレイヤーは「やけにクリティカルがでるぞ!ラッキー!」という感じで楽しめると思います。作り手としては、プレイヤーを騙しているようで少々姑息という気はしますが・・・。
結論として、以下に救済措置を行う上でのポイントを記述します。
① 救済措置を受けないプレイヤーの気持ちやゲームバランスを考慮し、装備やアイテムの授与、パラメータ引き上げ等は一時的に実施する。
② プレイヤースキル向上の措置は積極的に実施する
③ 確認しづらい数値をこっそりあげる
また、これらの救済措置をシナリオに上手く混ぜて、演出の1つとして適用することができれば、ボス戦もより盛り上がるのではないかと思います。
【補足】
(*1)
少々偏見が入っているかもしれませんが、このように書くと、ゲームをやりこまない人は非常にドライな感じで、特にゲームをやりこむ人にとっては、やりこまない人の気持ちは理解できないかもしれません。(またその逆もあるかもしれません)しかし、楽しみ方は人それぞれなので、どっちが良い悪いということは全くありません。
(*2)
敵の強さの設定には大きく分けて下記の2つがありますが、今回は ② について考えます。また、敵の強さはゲームをやりこむ人用に設定します。
① 強さ可変(ジルオール、FF8等)
プレイ状況やキャラクターの強さに応じて、敵の強さが変化する
② 強さ固定(ドラクエ等)
敵の強さは一切変化しない
敵を弱くしたり強くしたりするというのは、キャラクター設定の観点から考えると非常に慎重に扱わなければいけない部分だと思います。世界征服を狙う悪の親玉が強くなかったら興ざめしちゃいますよね?とはいえ、とりあえず ① を採用しておけば、敵の強さはプレイヤーの強さに応じて変化するので誰でも常に互角の勝負ができるため、プレイヤーは面白いと感じるかもしれません。プレイヤーが何をしようと詰むこともありませんし、作り手にとっても、調整しやすい仕組みだと思います。しかし、頑張ってレベル上げした人とそうでない人が同じようにクリアできてしまうため、「頑張ってレベル上げをした人が損と感じてしまうようなシステム」にはならないように注意が必要です。例えば、頑張ってレベル上げした人には何らかのご褒美アイテム(ゲームバランスにあまり影響しないもの)を与える等の措置です。
スポンサーサイト