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11111ヒット企画 イメージ公開

こんばんは、ワレヨンです。

さて、今回は

「そういえば、11111ヒット企画、どうなったの? また空振りなの??」

なんて思われている方もいらっしゃると思いますので
少し、間がいてしまいましたが

企画イメージの公開をしたいと思います。

そして、なんと今回のリクエスト者「チリトリが相方のヒムキョウ」様 からは
ショートストーリーでリクエストをいただきました!

そちらのほうも、許可をいただきましたので
あわせて、どどんと、公開しちゃいたいと思います。

※ショートストーリーの最後にワレヨンが描いた
イメージ画が、ひっそりくっついています。なんだか
蛇足な感じがしてならない
気もするのですが、お許しください。


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チリトリが相方のヒムキョウ 様より

【神様がくれたフク】

それは夏という季節が生んだ他愛もない話だった。
 誰も居ない教室に幽霊が出る、なんていう有り触れた怪談話。
 ただ、一週間前に交通事故で恋人を亡くした幸治には笑い話では済まなかった。
 幽霊なんて居る筈ない、居たとしてもあいつじゃない、思いながらも幸治は確かめに来た。
 だから、かもしれない。
「三日ぶり、幸治」
 震える手で開いた扉の先、待ち構えるように声を掛ける少女に反応を返せないのは。
「何、その顔? ずっと泣いてたのバレバレ」
 硬直している幸治を気にする事無く、馬鹿にするように、けれど優しい声だけが教室に響き渡った。
「服だって葬式のままでしょ? ヨレヨレじゃない」
 柔らかい声と違い、異様な速さで幸治の元へと奈緒は飛んで来る。
「奈緒、その姿……」
 やっと驚きや硬直が抜け始めたのか。
 顔を赤くして動き始めた幸治に、
「うん、夏の定番ってやつ? お化けみたいね……」
 奈緒は青白く輝く身体を見せ付けるように、くるりと一回転。
 幻想的で見惚れるような光景なのに、痛々しい物でも見たかのように幸治は俯いて目を逸らした。
「そういえば、何で幸治が学校に? 窓から見えたから待ってたんだけど……」
「学校に幽霊が出るって、噂を聞いたから。俺の方が何でここにいるか聞きたい」
 俯き、顔を赤くしたまま幸治は答える。
「未練が強くて成仏出来ないらしくてね」
「未練?」
「アンタの事に決まってるじゃない」
 答えになってない返答か、言葉そのものが疑問なのか。高い声を上げる幸治に奈緒が間髪入れずに返答する。
「初めてこの教室で会って、男の癖に情けないとか色々言ったりしたけど、私から告白して、付き合って、そこの机で一緒にお弁当食べたり……」
 ぽつぽつ、と懐かしむように呟き、教室を眺める奈緒に、釣られるように幸治もそっちへと目を向ける。
「走馬灯って言うの? 死んだ時、色々思い出してたら気が付けばここに、ね。直接、あんたの所に行ければ
よかったんだけど……」
「来れないのか?」
 詰まらせた言葉を幸治が補うと、奈緒は首を振った。
「今だったら行けるわよ。さっさと未練晴らして成仏しろって、神様が少しだけ力くれたから。
ずっと残っていると、悪霊になっちゃうんだって……」
 この力で一緒に居れたらよかったのに、と小さく寂しげな声で付け加える奈緒に、幸治は何も答えられない。
「急で悪いけど、願い事ない?」
 そんな空気を、すぐに放たれた無遠慮な言葉が破った。
「来てくれたおかげで力が残ってるから小さい願いなら叶えてあげられる。お金なら十万くらいなら
貯金とかの口座番号とか教えられるし何かして欲しいなら何だってする。何でもいいから何かない?」
 時間がないのか。
 焦るように言葉を紡ぐ奈緒に幸治は数秒だけ考えて――
「何もいらない」
 答えを口にした。
「何で? 折角何かしてあげれるのに、どうしてそんな事言うのよ! 何かしてあげたいって思ったら
いけないの!」
「そうじゃない」
 静かに首を振り、幸治は否定する。
「お前に会いたいっていうのが俺の願いだったから、これ以上何もいらないんだ」
「何でそんな事言うのよ」
 搾り出すような震える声。
 俯いている西山少年の胸に奈緒が寄りかかってくる。幽霊なのに感触があった。
 幸治は更に居心地悪そうに顔を逸らす。
「折角力残ってるのに、このまま成仏しちゃいそうになるじゃない」
「……ごめん」
「謝るくらいなら、何か願いなさいよぉ……」
 もう奈緒は泣く事を堪えられないようだった。
 身体を震わせ、声にならない声を胸元で上げ続ける。
「わかった。じゃあ一つだけ」
 そこで初めて、幸治は奈緒の方を自分の意志で見た。赤い顔が更に赤く染まる。
 青白く光りながらも、しっかりと輪郭まで確認出来る奈緒の姿。
「服着てくれ。その、まあ、何ていうか……」
 それが全裸である事を初めて指摘する。
「恥ずかしいのね」
「はっきり言うな! こっちはこれでも冷静なつもりなんだから」
「会った時からの冷たい態度でわかってたわよ。もっと顔、見せて欲しかったのに……」
 露骨に目を逸らしながら怒鳴る幸治に、くすりと奈緒は微笑む。
「でも、本当にそれでいいの? 多分、他に何も出来なくなるけど……」
 顔を赤くしながら、幸治の首に手を回す奈緒。自分の身体を押し付けるようにして、密着させる。
 幽霊とは思えない、確かな柔らかさが幸治の身体に伝わってきた。
「最後の機会だからそういう事したい、とか思わない?」
 抱き締められたまま耳元で囁かれたのは、ほとんどが照れで構成された甘い誘い。
「したいに決まってるだろ!」
「き、決まってるんだ……」
 その魅惑的な誘いを、かつて無い程強い言葉で肯定する幸治に奈緒はお化けと思えないくらい全身を赤くした。幸治からは見えなかったが、照れ臭そうでありながら、これ以上ないくらいに嬉しそうだ。
「でも、さ」
 一度言葉を区切ってから、幸治は続ける。
「キスもしたことないのに、身体だけ求めてるみたいで、嫌なんだよ……」
「……何て言うか、幸治らしいわね」
 そっと幸治から身体を離し、顔を俯かせる奈緒。
「呆れたか?」
「ううん、むしろ嬉しかった」
 心配そうに声を漏らす幸治に顔を上げる。
「ありがとう。最後まで大好きなままの幸治でいてくれて」
 優しく、幸治が今までで見た中で一番綺麗に微笑み、目を瞑った。
 僅かに身体が光ると、ぼんやりと服が浮かび上がってくる。
「でも、キスくらいは……」
 したかったな、と目を瞑ったまま言葉を紡いでいく奈緒の唇に、幸治の唇が触れる。
 一瞬、奈緒の目が大きく見開かれた。
「ん……」
 静かに目を閉じ、強く唇を押し付け返す。幸治も同じようにして押し付け返した。
 ただ唇を押し付け合うだけの拙い口付け。甘さも何も無い、離れたくないというお互いの想いだけを伝え合う行為。
 それは飽きる事無く続けられ、予告も無く終わりを迎えた。
 ただ、幸治の唇に僅かな温かさだけが残っている。
 震える幸治だけが、教室に立ち尽くしていた。

1223.jpg

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今回リクエストしてくださった、チリトリが相方のヒムキョウ様には
メンバー一同、心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました!

ショートストーリだけで大満足な気分なのですが

まだ、この登場人物をゲームにおとしこむ
段階
が残っています・・・!

その後のゲーム制作で、どのように変換されていくのか
まったく、予測がつきませんが

暖かく、見守っていただければと思います。

それでは、今回はこのへんで。
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[ 2010/12/23 19:26 ] イラスト | TB(0) | CM(0)
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